住宅ローンの金利の選び方

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皆さん、住宅の購入を検討し始めると、ほとんどの方が金融機関でお金を借りる(住宅ローンを組む)と思います。今は多くの金融機関からさまざまな商品が出ており、どれにするか非常に悩むところです。

しかし、それぞれの住宅ローンについて、どの金利が良いかを一概に決めることはできません。したがって、借りる人の収入やライフスタイルに応じてよりどちらが良さそうなのかを検討し、決めていくしかありません。

 どこの金融機関でどの住宅ローンを選ぶにしても、その住宅ローンの種類、「固定金利」と「変動金利」について、どちらがいいのかがまず重要な検討ポイントになってくると思います。

 さらに「変動金利」は、「変動金利」と「固定金利選択型」により細かく分けることができます。まずは、それぞれの金利がどういうものなのか、特徴を見てみましょう

【固定金利(全期間固定金利型)】

・返済終了まで金利が変わらない。

・返済終了まで毎月返済額が変わらない。

・「金利」が変わらないので、借りた時点で住宅ローンの「総返済額」と「毎月返済額」を決められる。

・「フラット35」などの商品が代表的。

【変動金利(半年型)】

・年2回金利情勢に合わせて金利を見直し。

・金利が見直されても5年間は毎月返済額が変わらず、6年目に改定される。

(改定後の毎月返済額は極端な増額にならないように、それまでの毎月返済額の1.25倍まで)

・前項のルールがある為、金利の上昇幅によっては、毎月返済額のほとんどを利息が占め、元金残高が減らない

といった事態が起こったり、利息が毎月返済額を上回る「未払い利息」が発生したりする可能性がある。

【固定金利選択型、当初固定金利型】

・「3年固定」や「10年固定」と呼ばれる住宅ローン。

・「3年固定」であれば3年間、「10年固定」であれば10年間は金利が固定され、それ以降は、再度固定金利期間を選択か、または、変動金利(半年型)の住宅ローンになる。

・固定期間終了後に金利が上がっていた場合は、毎月返済額が大幅に増えて家計を圧迫する可能性がある。

このように、「全期間固定金利型」以外は、金利情勢に合わせて金利が変動する為、住宅ローンを払い終わって初めて、「総返済額」が分かります。つまり、住宅ローンを決める際には「総返済額」ではなく、返済期間中の負担等の観点で検討し、決めていくことが重要です。

それぞれの住宅ローンの「性格」を比較していくと、どの住宅ローンがより自分に合いそうなのかを考えることができます。

まず、「変動金利(半年型)」ですが、現在の金利を比較すれば、このタイプが一番金利が安いです。しかし、先ほどにも述べたように金利が大きく上昇し、負担が大きくなる可能性があります。ゆえに、このタイプは金利上昇した場合もこれをカバーできるだけの資力や余裕がある方、または近いうちに子供が独立し負担が減りそうな方に合うことが多いと言えます。

次に、「固定金利選択型、当初固定金利型」ですが、これも前述の「変動金利(半年型)」とほぼ同じ「性格」だと思ってよいでしょう。前述の「変動金利(半年型)」と違う点は、名前の通り当初3年や10年の金利と毎月返済額を固定できるので、○○年後には子供が独立し負担が減る、または収入が増える可能性が高い等、具体的な見通しがある方に合いそうだと言えます。

最後に、「固定金利(全期間固定金利型)」についてですが、現在の金利を比較すれば、これは最も金利が高く、一見「総返済額」が最も高くなりそうだと言えます。(今後の変動金利によるので絶対とは言えません)

しかし、返済終了まで金利と毎月返済額が変わらないため、将来の急激な金利上昇リスクを防ぐことができます。言い換えれば「変動金利型」「固定金利選択型、当初固定金利型」が、借りる側が金利変動のリスクを負うのに対し、「固定金利(全期間固定金利型)」は金融機関が金利変動のリスクを負うことになるといえます。

このように将来にわたってリスクを回避したり、資金計画を立てやすい為、返済終了まで、子育てなどで多くの負担を抱える可能性が高い方に向いていると言えます。

住宅ローンの良し悪しは、何十年先の景気や、借りる人の収入や生活の負担など、将来の不明確な要素によって、大きく影響を受けます。まずは、不測の事態にも対応できるようなプランを検討し、より「自分に合った」住宅ローンを選びたいものですね。

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